ジョイエール御旅かわら版最終回を迎えて。
3年にわたって取材編集サポートを担当してきた「ジョイエール御旅かわら版」がついに最終回を迎える。ついでに書くと、「応援隊」制度に “3年ルール”という縛りがあり、3ヶ年以上連続して同じ市場や商店街のサポートができない。まちづくりは十年ひと仕事と言われるように、商業地の活性化において3年なんて、まだまだ助走期間。現場を長年経験した立場としては腑に落ちないが、ルールはルール。気持ちよく卒業したい。
さて本題。最終回の誌面は、これまでの振り返りと地域で愛されてきた老舗店の紹介。震災前までは市場として栄えた地域でJR兵庫駅前という恵まれた立地にあって、御旅周辺には飲食店が集積している。かわら版の取材を通してそのレベルの高さに驚いた。今回取材した店舗もそんな一軒。70歳を超える老夫婦が長年にわたってコツコツと積み上げてきたものは、若者たちにも愛され、夕方になるとスーツ姿のお客で満員になるという。こういう店の存在が地域全体を牽引してきたのだな。最終回に相応しい取材となった。
地域のお店紹介のほか、かわら版では神戸市内の農家さんや生産者さん、もちろん自店各部門も紹介しながら、ジョイエール御旅の方針や商品への想いを発信してきた。それが地域住民やこれまでの顧客との関係を深めることに繋がった。“売り出し”や”安売り”ではないところで、ファンを増やすことができたのだ。そんな話を担当者から聞くたび、私の思い入れも強いものとなっていった。もちろんそれは、ジョイエール御旅にも魅力があるからこそだ。
こんな仕事をしていると、ほろ苦い経験もたくさんする。でも、素晴らしい経験のほうがはるかに大きい。卒業しても、お互いに大事にしたい縁だと思っていれば、また縁はつながると信じている。ジョイエール御旅のこれからを楽しみに、最後の原稿を書こう。