まちPRオフィス

新開地ツアー100回で終了。について、神戸新聞神戸版に掲載いただきました。

事後報告になりましたが、『新開地ツアー100回で終了』について、2018年8月30日付 神戸新聞神戸版に掲載いただきました。終了の経緯や思うことについてはまた改めて、書くことにします。

 

新開地ツアー来月で幕
ビギナー女性のためだけの街歩き
100回目で区切り 惜しむ声も

神戸・新開地の魅力を堪能できる、女性によるビギナー女性のためだけの街歩き「ザ・シンカイチツアー」が9月、100回を迎える。スタートから13年。電話での申し込みを開始した瞬間に予約が埋まるという、人気グループのコンサート並みに参加困難なこのツアーも、残念なことに記念回が最終回でもある。初回からガイドを務める西島陽子さん(44)は「ツアーによって女性が訪れやすい街になったのは確か」と手応えを感じていただけに、惜しむ声は少なくない。(坂山真里緒)

ツアーは2005年7月、NPO法人「新開地まちづくりNPO」が街の生誕100周年を記念し、新たな女性ファンを開拓しようと始めた。ガイドとして白羽の矢が立ったのが、PR担当として同法人に所属して半年足らずの西島さんだった。「今でこそ街歩きツアーは各地で開催されているが、その頃は前例がなく、よく分からないけれど、とりあえず…」

当時の新開地のイメージはまだまだ「怖い場所」。しかし、実際に街にある店には、多くの歴史も物語も、こだわりもあり、「若い女性を連れて行って魅力を感じてもらおう」というコンセプトで始まった。

過去参加した人はお断りという、“初体験”を意識したツアーで、おでん屋のカウンターに座り、目の前の大きな鍋から好きな具を注文したり、昭和の香りプンプンのレトロな喫茶店でのプロカメラマンによる撮影会で、ひとときの女優気分を味わったり-。月1回、定員は10人で、昼食と夕食、大衆演劇の観劇料などを含めて5千円(05年度は3千円)というお値打ち感も、人気に拍車を掛けた。

「ツアーで心掛けたのはナビゲーターとして、なるべくお店の方の話を引き出すこと」と西島さん。時代を経て、少しだけ訪れる店は変わり、「新開地劇場」での大衆演劇の観劇は、途中退場から終演までに延びた。開催日も土曜日から平日になった。ツアーは口コミで広がり、県外から仕事を休んで参加する女性も。西島さんは「参加した人がその後、家族や友人を連れて新開地を楽しんでくれるのを見ると、狙い通りと感じる」と話す。

11年でいったん終了したが、復活を求める声が多く、約3年後に再開。「知らない所に足を踏み入れるワクワク感を得てもらえたんでしょう」と、13年を振り返る西島さん。9月5日に開催されるツアーもすでに満席。西島さんは「続けてほしいとの声も聞く。別の形で企画できたら」との思いを持っている。